年末になるとどの企業でも、年賀状の発送業務を考えなければならないでしょう。
そんな年に一度の年賀状は、ビジネスシーンにおいて取引先や顧客との今後の付き合いを円滑にする、大切なコミュニケーションツールの1つです。
年賀状でこちらの想いを効果的に相手に伝えるためには、印刷した文章だけでなく手書きのひとことコメントを添えるのがおすすめです。
この記事では、年賀状に添えるひとことコメントの例文を、送る相手ごとに分けてご紹介します。
年賀状にはひとことコメントを添えるのがおすすめ
そもそも年賀状とは1年間の感謝と今後の厚誼を願い、1年の頭に送り合う挨拶状ですので、それは単なる形式的・機会的に送るものではなく、送り手の想いを相手へと届けるためのものです。
それはビジネスシーンにおいても同様で、取引先や顧客に送る年賀状でも単なるビジネスツールとして送るだけではなく、相手への感謝の想いを伝えるツールとして利用するべきです。
それにはやはり、こちらの感謝の想いを明確に伝えることが大切で、そのためには単に大量印刷されただけの年賀状ではなく、手書きのひとことコメントを添えたものを送れば、受け取り手はそこに送り手の想いを感じ取ってくれるはずです。
年賀状にコメントを添える時の注意点
年賀状に手書きでコメントを添える場合、次のようなことに注意して書くようにすると良いでしょう。
文章の被りを避ける
通常ビジネスシーンで利用される年賀状には、あらかじめ賀詞や添え書き(挨拶文)が印刷されていると思います。
そんな印刷された年賀状にひとことを添えるわけですから、印刷された文言と同じコメントは避けるようにしましょう。
「本年もよろしくお願いします」などの文言は、通常は印刷された文面に記載されていることが多いでしょうから、そういった被りがないように気をつけます。
年賀状の様式を守る
また、年賀状のコメントでは、通常の手紙で使用される頭語と結語にあたる、「拝啓~敬具」のような言葉や、時候の挨拶などを書く必要はありません。
また、はがきでの挨拶状の場合は「、」や「。」といった句読点は使わないのが一般的です。
忌み言葉は避ける
これは印刷された文章にも言えることですが、年賀状というお祝い事を伝える挨拶状の場合は、「死」「別」「失」「去」「絶」などの忌み言葉を使ってはいけません。
よくある間違いとしては、「去年」という言葉の使用があり、この場合は「昨年」や「旧年」という文言を使用するようにします。
あまり個人的な内容は書かない
年賀状はあくまでもはがきでの挨拶状ですので、企業宛てと自宅宛てのどちらの場合でも、そこに記載された内容は受取人以外の人の目にも触れる可能性があります。
そのため受取人に関する、あまりにプライベートな内容を書くことは避け、さりげない表現に留めておくようにしましょう。
年賀状に添えるコメントの内容
それでは年賀状に添えるコメントの内容は、どのようなものを書くと良いのでしょう。
それは、主に次の3つの話題がふさわしいと考えられます。
- 近況報告
- 共通の話題
- 今年の目標
これは一般の年賀状でも、ビジネスシーンの年賀状でも同様です。
それぞれの具体的な内容は次の通りです。
近況報告
- 周年記念やイベントなどの情報
- 自社の新しい取り組みについて
- 自分の昇進、部署異動を伝える
など
共通の話題
- 一緒に取り組んだプロジェクトのお礼
- 進行中の共同プロジェクトへの意気込み
- 同期としての呼びかけ
など
今年の目標
- 新しく取り組むプロジェクトを報告
- 新しい取り組みへの決意
- 具体的な数字を明示した目標を伝える
など
年賀状を送る相手別ひとことコメント例文集
それではビジネスシーンにおいて相手別に送る年賀状に添え、ひとことのメッセージの実践的な例文をご紹介します。
取引先企業【お得意様】
今年も皆様のお役に立てる企業であるよう
より一層努力してまいります
本年は十周年という節目の年となりますので
より皆様のお役に立てるようさらなる発展を目指してまいります
本年は新しく〇〇システムを導入の予定ですので
より一層高品質な納品をお約束します
取引先企業【下請け企業】
いつも迅速なご対応ありがとうございます
本年は進行中の〇〇を
無事に完遂できるようお力をお貸しください
御社のご繁栄と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます
一般顧客
本年も社員一同
皆様のご期待に添えるよう努力してまいります
今年は新しく〇〇サービスも導入しますので
ぜひ一度お試しください
本年も従業員一同精一杯努力してまいります
どうぞお近くにお越しの際はご来店お待ち申し上げます
コメントを書き入れる年賀状のデザイン
こうしたひとことコメントを書き入れる場合では、年賀状のデザインを作成する段階から、コメントの書添えを想定したデザインとすることが、最終的に見た目も美しく、より想いを伝えやすい年賀状を作成するポイントです。
その際は次のようなことに注意して、デザインを構成すると良いでしょう。
文章がシンプル
印刷された文章があまりしっかりとした分量で書かれていると、それだけでほとんどのことを言い尽くしてしまい、ひとことコメントを書く余地がなくなってしまいます。
そのためコメントを書くことを前提として年賀状では、添え書きの文章はできるだけシンプルなものにとどめるようにしましょう。
余白が多い
年賀状のデザインによってはコメントを書く余白がほとんどなく、小さな字でちまちまと書き込まなければならなくなってしまいます。
そのあたりを考慮して、あらかじめコメントを書き込む場所を想定して、余白が多めに取られたデザインの年賀状を作成するようにすると良いでしょう。
レイアウトと合わせる
元々年賀状の形式は、はがきを縦に使い文字も縦書きとするのが、もっとも正式な案内状のフォーマットです。
しかし近年ではIT企業などを始めとして、カタカナ社名の企業も増えていますので、そういった企業では横書きレイアウトで年賀状を製作することもあると思います。
縦書き・横書きどちらの場合でも、ひとことコメントの文章自体を、印刷された文章の書き方に合わせることが、見やすくて美しい年賀状とするポイントです。
まとめ
1年間の感謝と今後の厚誼を伝え、相手の幸運や健康を祈る年賀状で、差出人の想いを適切に伝え今後のコミュニケーションを円滑にするためには、ひとことコメントを添え書くのが有効な手段ということを解説してまいりました。
ここに紹介した例文は、どれも広範囲に利用できる文章となっていますので、自社の業種や業態、それぞれの立場に合わせてアレンジして利用してみてください。
ひとことコメントを美しく書くためには、ベースとなる年賀状の印刷を、コメントを前提としたデザインとしておくことがポイントとなりますので、印刷業者に発注する場合には、そのあたりを考慮したデザインを選ぶのが良いでしょう。
適切なデザインの年賀状を製作し、さらに心のこもったひとことコメントを書き添えることで、企業としての想いを取引先や顧客へと、余す所なく伝えてビジネスのための効果的な営業ツールとして生かしてください。