ビジネスでは礼節は欠かせません。
特に時候の挨拶などは気にする人も多いでしょう。
しかし、忙しくなる年末に頭を抱える人が多いのが、年賀状の作成です。
ビジネスで送る年賀状は、出すべきなのかどうなのかの範囲も判断が難しいでしょう。
退職した人への年賀状の扱い、自分が受け取った場合の対処法をまとめました。
退職した人宛に年賀状は送るべきなのか
学生時代の年賀状であれば、親族や親しい友人に年賀状を出しておけば
問題ありませんでした。
しかし、ビジネスで送る年賀状では、どの範囲の人まで年賀状を送ればいいのか
頭を悩ませるでしょう。
基本的には年賀状はお世話になった人に送るものです。
上司や先輩など目上の人も多いと思いますが、特に問題となるのが退職していた場合です。
ここでは退職者に対して年賀状を出すべきなのかどうなのかを紹介します。
すでに退職された方へ出すかどうかは状況次第
退職した人に年賀状を出すべきかどうかは、その人の関係性やお世話になった
程度によります。
特にお世話になっていないのであれば、出さなくても問題ありません。
在職中にお世話になったのであれば、退職した人に年賀状を出すケースもあります。
いろいろ指導してもらった恩がある、ご無沙汰気味になっているという人は、年賀状を
出してみても良いでしょう。
年賀状で久しぶりに連絡をとることが、ビジネスや自分の成長につながるケースもあります。
退職した人に年賀状を出すかどうかは、その企業の風土や個人の考え方によって
異なります。
年賀状を出すべきかどうか悩んでいる場合は、勤めている会社の先輩に年賀状の習慣は
どうなっているか確認しても良いかもしれません。
もし年賀状を出すのであれば個人として送る
お世話になった方とこれからも良いお付き合いを続けたいという人は、年に一度の年賀状のやり取りを続けても良いでしょう。
マナーとしては、退職した人に年賀状を送る場合は個人宛てに送ります。
これは、退職した後は個人と個人の付き合いになるからです。
あくまでプライベートの付き合いとして、年賀状を送ることになります。
また個別に年賀状を送りたい場合は、早めに住所を確認しておきましょう。
今後退職の予定があっても年賀状では報告しない
年賀状は時候の挨拶であるとともに、近況報告の役割を兼ねています。
結婚や子供の誕生を年賀状で伝えることも多いでしょう。
では、年賀状で退職の予定を報告するのはどうでしょうか。
原則として新年の挨拶はおめでたいものです。
そのため退職の報告は、年賀状にはふさわしい内容ではありません。
受け取った側も、年賀状のついでに退職報告されたように感じてしまうでしょう。
近日中に退職が決まっている場合でも、年賀状で伝えることは控えてください。
退職した方宛に年賀状が届いた際の取り扱いについて
貴重な営業機会として年賀状を活用している企業も多く、会社ではさまざまな取引先や
顧客などから年賀状を受け取ることも珍しくありません。
自社から送るだけでなく、ほかの会社から退職者宛てに年賀状が届くこともあるでしょう。
ここでは、すでに退職した人に対して会社宛てに年賀状が届いた時の対処法を紹介します。
郵便局を通して差し出し人へ返還する
すでに在籍していない退職者宛てに年賀状や手紙が届いた場合は、郵便局に
返送願いをだすことによって送り主に返すことができます。
年賀状を送り返すのは失礼になるのではと考える人もいるかもしれません。
しかし、毎年年賀状を出し続ける手間を考えれば、教えてもらった方がありがたい
という人も多いでしょう。
返還することによって担当者にも周知されるため、次回以降は同じことを
繰りかえさないようになります。
電話やメールで知らせる場合もある
退職者や送り主と連絡がつくのであれば、電話やメールで年賀状について連絡する方法も
あるでしょう。
同僚など連絡がつく人がいるのであれば、年賀状についてどうするか尋ねることもできます。
しかし、大企業で就業人数が多いと個別に対応するのは大変かもしれません。
退職者との付き合いやその会社によって対応は異なります。
退職した人宛に書く年賀状の文例
年賀状は会社として個人に出すケースは少ないかもしれませんが、個人同士の
付き合いとして年賀状を使っている人は多いでしょう。
ここでは退職した人に向けて年賀状を出す場合の文例や、注意してほしいポイントを
まとめました。
退職前の関係によって書き方が異なる
退職した人に送る場合は退職する前の関係性によって、年賀状の内容も変わります。
それぞれ関係に合わせて年賀状の文面を紹介します。
上司だった方に送る場合は言い回しに注意する
年賀状の構成は新年を祝うご挨拶に始まって、次に旧年中にお世話になったことへの
感謝や自分の近況報告、最後に相手の幸せを願う一言を添えて締めくくります。
上記のような順番にするとまとまりやすく、受け取った側も読みやすくなります。
元上司であった人に送る場合は、まず言い回しや内容など失礼がないように
注意してください。
年賀状の場合は、文末には句読点を使わないこともポイントです。
おめでたいことに区切りをつけないようにという意味が含まれています。
新春の挨拶である賀詞にもポイントがあります。
迎春などは謙譲の意味はありません。
「謹賀新年」といった4文字の賀詞や、「謹んで新春のお喜びを申し上げます」
といった文章の賀詞を使いましょう。
在職中は一方ならぬご厚情を賜りまして、ありがとうございました。
ご指導いただきました内容は今も日々の仕事で役立っています。
○○課長とご家族の健康を心よりお祈り申し上げます。
元同僚に送る場合は固くなりすぎないことがポイント
元同僚に年賀状を送る機会もあるでしょう。
職場で親しかった人であれば、そこまでかしこまった文章は必要ありません。
相手を気遣う言葉や自分の近況報告を入れると良いです。
あえて砕けた表現で親しみやすくするなど、関係性によって表現を
変えてみてください。
在職中は大変お世話になりました。
こちらは人事異動もあり、ようやく新しい職場に慣れ始めたところです。
○○さんはどのようにお過ごしですか?
寒い日が続くのでご自愛ください。
会社の元後輩に送る際はその後の様子も聞いてみる
元後輩に送るという場合は、上司や同僚に送る場合よりもくだけた表現を
使うことができます。
賀詞も2文字のものでも良いでしょう。
在職中いつも○○さんが一生懸命仕事をしていたことをよく覚えています。
こちらも○○さんと仕事をした経験を生かして奮闘中です。
また一緒にご飯に行きましょう。
○○さんの今後のさらなる活躍を期待しています。
退職の理由によっても詳細な内容が変わる
退職した人に年賀状を送る場合、考えなくてはいけないのが退職の理由です。
退職の理由によって年賀状の内容も変わるので文例とともにみていきましょう。
定年退職した上司に送る場合
定年退職した人に年賀状を送る場合は、
退職した後の生活ややりたがっていた趣味など、様子を尋ねる一文を
添えてみても良いでしょう。
体調を気遣う言葉やこれからの活躍を祈念する言葉で締めるとまとまりやすくなります。
○○課長におかれましてはますます壮健のこととお慶び申し上げます。
退職後に打ち込みたいといわれていた自転車は楽しんでおられますか?
ぜひこちらにも遊びにきてください。
○○課長とご家族のますますのご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
転職を理由に退職した場合
転職で退職したという場合は、新しい職場になれたかどうかなど相手の様子を
気遣う一文を入れてみてください。
こちらの会社の近況なども簡単に添えると良いでしょう。
○○さんは新しい職場でさっそく活躍していらっしゃるかと思います。
仕事の壁にぶつかるたびに○○さんの存在の大きさを実感しております。
○○さんにご指導いただいたことを活躍して私も何とか頑張っています。
新しい年が○○さんにとって良い年でありますように心からお祈り申し上げます。
正しいマナーで退職後のやりとりも円滑に進めよう
退職したあとに送る年賀状は個人同士のやり取りになるため、ケースバイケースでルールや
マナーは変わります。
年賀状はお世話になった人、親しい人に新春を祝うために送るものです。
年賀状を出すときには今までお世話になった感謝や報告したい近況などを伝えましょう。
年賀状としての一般的なマナーを知っていれば、やり取りもスムーズです。
これからも良好な関係築けるよう失礼がないような年賀状を送りましょう。