近年では虚礼廃止やコスト削減などさまざまな理由から、年賀状を廃止してメールで新年の挨拶を行う企業も増えているようです。
しかし、その流れに乗り自社でも年賀メールを取り入れようと思っても、いざ実行に移そうとしても中々効果的なメール作成ができないという企業担当者もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、近年需要が高まっている年賀メールの作成方法について、メリットやデメリットとともにご紹介してまいります。
年賀メール2つのシステム
年賀メールとひと口にいっても、そのシステムは大きく分けて2つあります。
それが「テキスト型年賀メール」と「HTML型年賀メール」です。
ここでは、それぞれのメリット・デメリットに合わせて、その作成方法について解説します。
テキストメールとは
テキストメールとは、その名の通りテキスト形式の文字だけで作成されたメールのことを指します。
テキスト型年賀メールのメリット
テキスト形式で年賀メールを送る場合のメリットとしては、主に次のようなものが考えられます。
容量が軽い
テキスト、つまり文字のみで作成された文章のため、データ容量が少なく、送信側・受信側共にシステムに負担をほとんどかけません。
専門的な知識やツールを必要としない
特に専門的な知識や、それ専用のツールなどを用意することなく、通常のビジネスシーンで利用しているメールソフトだけで作成することができます。
受信者のパソコン環境やソフトに影響されづらい
ごく一般的に使用されている文字コードだけでメールが構成されているため、受信者のメールソフトがどのようなものを使っていたり、パソコンのOSなどがどのような形式であったとしても、それらに影響を受けることがほとんどありません。
そのため受信者の環境いかんに関わらず、文字化けなどの変換ミスなどが起こる可能性も低く、またセキュリティソフトなどで弾かれて先方に届かないということも起こりにくくなります。
テキスト型年賀メールのデメリット
反面テキスト形式で年賀メールを送る時にデメリットは、次のようなものが考えられます。
ビジュアル的訴求力が弱い
基本的には文字と記号といった、テキストしか使用することができず、画像などを表現することができませんので、ビジュアル的な訴求力がどうしても弱くなります。
文字以外の装飾を行う場合でも、記号などを組み合わせて表現するしかありませんので、単純な表現しかすることができず、仮に凝った装飾をしたとしても、逆にごちゃごちゃした印象を与えてしまうことにもなりかねません。
メールの開封率が把握できない
ごく一般のメールと同じように、メールを送ったらただ送りっぱなしなので、そのメールを受信者が開封したかどうかは送信側から確認することはできません。
テキスト型年賀メールの作成方法
テキスト形式の年賀メールは、特別なことは必要なく自社のパソコンにインストールされている、いつも使っているメールソフトで当たり前に作成ができます。
ただし、いつものビジネスメールよりは多少目を引く表現を用い、少しでもビジュアル的訴求要素をあげるような工夫は施したいものです。
具体的には、メールの所々で次のような記号を組み合わせた装飾を施し、テキストを目立たせる工夫をしましょう。
テキスト型年賀メールの装飾例
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テキストテキスト
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テキストテキスト
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HTMLメールとは
HTMLメールとは、Webサイトを作成する時に使用する、Hyper Text Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)というコンピュータ言語の1つで作成されたメールのことをいいます。
HTMLを使用することにより、文字の装飾だけでなく、写真やイラストなどの画像を挿入したり、背景を付けたりなど、ビジュアル的訴求効果のあるメールを作成することができます。
HTML型年賀メールのメリット
HTMLを利用して年賀メールを作成する際のメリットは、次の通りです。
ビジュアル的訴求力に優れている
HTMLでは画像の挿入や画面の装飾が自由に行なえますので、ビジュアル的な表現が無限に広がります。
そのため、メール自体の訴求率が高く「読む」より「見る」メールとなるため、年賀状の代わりに送る年賀メールとしては、大きなメリットとなります。
メールの開封率を取得できる
HTMLメールでは、メール内の画像タグに測定用のURLを接していおくことによって、配信したメールの開封率を把握をすることができます。
また、企業のHPやLPへの導入アドレス(ボタン)のクリック率も測定することができますので、営業ツールとしてはもっとも大切な効果測定が得られるというのが、テキストメールには無い最大のメリットです。
HTML型年賀メールのデメリット
その反面、HTML形式の年賀メールには次のようなデメリットも存在します。
専門的な知識が必要
特に専門的な知識を必要とせずに、直感的に扱えるソフトなども数多く出回ってはいますが、そういったソフトなどを利用しない場合には、HTMLについての専門的な知識を必要とします。
メルマガ担当者などがそれらの知識を有していない場合は、運用自体を外注に任せなければならないなど、特殊技能の要素が強くなります。
容量が重くなりサーバに負荷がかかりやすい
テキストのみのデータではなく、画像などを利用するためどうしてもファイル容量が重くなり、大量発信などの場合にはサーバなどへの負荷もかかりやすいのが難点です。
受信者側の環境により表示されない可能性がある
受信者側のメールソフトがHTML形式のメールをオフリミットするように設定してあった場合、適切な表示がされません。
また、受信側のセキュリティソフトの設定などによっては、受信自体を弾かれる可能性がないとも言い切れないのは大きなデメリットです。
HTML型年賀メールの作成方法
文字素材・画像素材などを集めて、デザインの構成を考え、実際にそれをHTML言語で書き込んでいくのが、基本的な作成方法ですが、正直知識のない者が即座にそれを実行することは難しいでしょう。
そのため、HTML形式の年賀メールを送りたい場合には、最初は知識がなくても使える年賀メールソフトなどを利用するのがおすすめです。
ここではそんなHTMLメールソフトを1つだけご紹介しておきます。
まとめ
この記事では企業が年賀メールを送る場合のメール配信方法について、
- テキスト形式メール
- HTML形式メール
という、2つのメール形式をご紹介してきました。
どちらの形式にもそれぞれ一長一短はありますが、新年の挨拶を年賀メールに置き換えるという行為自体、メリット・デメリットは存在しています。
それと同時に古き良き日本古来の挨拶状である、年賀状にも良いところはたくさんあります。
自社にとってどちらを選択するのが正しいのかは、送付先や自社のブランドイメージによっても大きく変わることでしょう。
そういったことをしっかりと見極めた上で、年賀メールと年賀状、どちらが自社にとってふさわしいツールとなり得るのかを、しっかりと考えるのも営業戦略にとっては大切な要素です。
>>ビジネスの年賀状やめる?やめない?年賀状廃止の是非を検討してみよう
こういった記事なども参考にしながら、自社にとってもっともふさわしい営業ツールを、今一度考えるきっかけにしてみてください。