年末にこちらから贈っていない相手からお歳暮をいただいた時、特にお返しをする必要はありませんが、やはりお礼を伝えるのは基本的なマナーです。
特にビジネスの現場では相手が取引先の企業や担当者となるわけですから、しっかりと丁寧な書面でのお礼状を送るようにしましょう。
この記事ではそんなビジネス現場でのお礼状の例文を、相手別にそのまま使えるテンプレートとしてご紹介します。
お歳暮のお礼状にそのまま使えるビジネス例文テンプレート集
企業相手に送る場合のお礼状例文テンプレート
お礼状を送る相手が取引先企業そのもの、もしくは担当部署宛に送る場合の例文テンプレートです。
この場合は宛名を企業相手では代表者、部署宛の場合はその部署の責任者とすることが基本となります。
例文1
謹啓
歳末の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびはまことにご丁重なお歳暮の品をお送りくださいまして、誠にありがとうございました。
今年一年、格別のご厚誼を賜り厚く感謝申し上げます。
年が変わりましても変わらぬお力添えをくださいますようお願いいたします。
年末ご多忙のおりではございますが、皆様ご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
まずは略儀ながら書中を持ちまして御礼かたがたご挨拶申し上げます。
敬白
令和◯年◯月◯日
◯◯株式会社
(役職)名前
株式会社◯◯
代表取締役 ◯◯様
例文2
拝啓
師走の候、貴社におかれましては一層ご隆盛のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は大変結構なお品物を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。
このようなお心遣いをいただき恐縮に存じます。
社員一同でおいしく頂戴いたしました。
来る年も皆様のご期待に添えますよう全力をあげて努力してまいりますので、今後とも変わらぬご高配を賜りますようよろしくお願いいたします。
歳末ご多忙の折、ご自愛のほどお祈り申し上げます。
まずは取り急ぎ略儀ながら、書中をもって御礼申し上げます。
敬具
(日付以下、同)
例文3
謹啓
初冬の候、貴社におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は結構なお歳暮をご恵贈いただきましてありがとうございました。
私どもが、今年一年大過なく過ごすことができましたのも、皆様のお陰と心より感謝しております。
これからもご信頼にお応えできるよう誠心誠意努力してまいりますので、何卒ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
末筆ではございますが、貴社のご発展と皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
略儀ながら、書中をもちまして御礼申し上げます。
敬白
(日付以下、同)
担当者個人に送る場合のお礼状例文テンプレート
担当者個人の名前でお歳暮を頂戴した場合は、お礼状も直接担当者宛に返すようにします。
ただしあくまでも個人宅ではなく会社宛に送る手紙ですので、宛先は部署名・役職名・担当者名まで省略せずに書くようにしましょう。
例文1
拝啓
寒さ厳しき折 ◯◯様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
さて、このたびはお心のこもったお品を頂き、本当にありがとうございました。
いつもながら細やかなお心遣いに恐縮するばかりです。
これからも◯◯様のご信頼にお応えできるよう誠心誠意努力してまいりますので、何卒ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
これからまだ寒くなりますが、ご家族様共々くれぐれもお体にはお気をつけて、良いお年をお迎えください。
略儀ながら、書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
令和◯年◯月◯日
◯◯株式会社
代表取締役 ◯◯
◯◯株式会社 〇〇営業所
◯◯部 (役職)◯◯様
例文2
拝啓
歳末の候、◯◯様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度は結構なお品をお送りいただきまして、ありがとうございました。
本年は弊社が大変お世話になっておりましたのにも関わらず、このようなお気遣いを賜り大変うれしく思います。
早速社員一同でありがたく頂戴いたしました。
まだしばらくは厳しい寒さが続きますが、部署の皆様共々どうぞお体をご自愛ください。
とりいそぎ 略儀ながら、まずは書中にてお礼申し上げます。
敬具
(日付以下、同)
例文3
謹啓
師走に入りあわただしい日が続いておりますが、◯◯様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、このたびは大変結構なお品をいただき、本当にありがとうございました。
いつもながらの細やかなお心遣いに、社員一同よろこんでおります。
どうぞ部署の皆々様にもよろしくお伝えくださいませ。
来る年も〇〇様のご期待に添えるよう、社員一同精一杯努力してまいりますので、今後ともどうぞご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
まだまだ寒さが続きますが、ご家族様共々体調を崩されませぬようご留意ください。
略儀ながら書中にてお礼申し上げます。
敬白
(日付以下、同)
今後のお歳暮を断る場合のお礼状例文テンプレート
会社としての規定や、何らかの理由により来年以降のお歳暮をお断りしたい場合は、その旨を書き添えたお礼状を出すようにすると良いでしょう。
ここではその場合の例文を掲載しておきます。
例文
謹啓
初冬の候、ご繁忙な日々をお過ごしのことと拝察申し上げます。
平素は格別のご懇情を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、この度はご丁寧にも結構なお品をお送りいただき、誠にありがとうございます。
ご厚意をいただきながら甚だ心苦しいのですが、今後このようなお気遣いはされませぬよう、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
誠に心苦しい限りではございますが、今後とも何卒ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
まだまだ厳しい寒さが続きますが、皆様方におかれましてはお体ご自愛のほどお祈り致します。
まずは略儀ながら書中にて御礼ならびにお詫びを申し上げます。
敬白
(日付以下、同)
お歳暮のお礼状にまつわるビジネスマナー
予期せぬ相手からお歳暮をいただいた時の、お礼状をお出しする際に覚えておきたいビジネスマナーについてご紹介します。
お歳暮のお礼状を出す時期
お歳暮のお礼状は、単にいただいたお礼を伝えるという意味合いの他に、贈ってくれた相手に品物が無事に届いたということを知らせる役目も持っています。
そのため、お礼状はお歳暮が届いたらなるべく早く、できればその日のうちに出すようにしましょう。
例え年末間際に届いたお歳暮の場合でも、間違っても年賀状についでにお礼の言葉を書き添えるようなことは、大変なマナー違反となりますので厳に慎むようにしてください。
お歳暮のお礼状の正しい書式
お歳暮のお礼状はとりいそぎ送るものですから、場合によってははがきでも良いとされています。
しかしビジネスの現場で取引先に送る場合には、もっとも正式な封書で縦書きの手紙とするようにします。
お歳暮のお礼状に盛り込む内容
お歳暮のお礼状には大きな流れとして次のような内容を盛り込みます。
- 起首(頭語):拝啓~敬具、謹啓~敬白など
- 時候の挨拶
- 先方の健康を気遣う言葉
- 日頃のお礼
- 本文(お歳暮をもらったお礼と、こちらこそ1年間お世話になったことへのお礼。社員ともども喜んでいますなども書くと良い)
- 文末の挨拶(年末の挨拶状となるため、来年の厚誼をお願いするひとことも書き添える)
- 結語(縦書きの場合は下寄せ、横書きの場合は右寄せ)
- 日付(縦書きの場合は和暦・漢数字で記載)
- 差出人(縦書きの場合は下寄せ横書きの場合は右寄せ)
- 相手の名前(文末に入れます)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここに書いた例文は、あくまでもテンプレートとしての例文でしかありませんので、自社と取引先の状況に合わせて、自由にアレンジして使ってください。
なお、お歳暮にはお礼状を出すだけで、お返し自体は必要ありませんが、先方から気を遣わせてしまったのは事実です。
そのため、このタイミングで年賀状の送付リストをチェックして、そこでは漏れがないように改めて確認しましょう。
お歳暮に続いて、年賀状まで送られてからお礼状を出すようなことにはならないように準備するのが、ビジネスマナーを考える上では大切な注意点となります。