日本には1年を通してさまざまな習慣がありますが、そういった習慣をビジネスチャンス
として活用する会社も少なくありません。
お歳暮は明治時代から100年以上続く習慣で、日ごろお世話になっている方へ、
贈り物をして感謝の気持ちを伝えます。
年末にお歳暮を携えて挨拶回りすれば、さらなるビジネスチャンスに繋がります。
取引先や上司へお歳暮を贈るときのマナーや、お歳暮の選び方などを紹介しましょう。
お歳暮を贈る際に間違えたくないマナー
お歳暮は、その年にお世話になった方へ感謝の気持ちを伝える贈りものです。
贈るときには、マナーを守ってお互いに気持ち良く年末を迎えたいところです。
お歳暮を贈るときのマナーを紹介します。
お歳暮を贈る時期
お歳暮は、いつ贈っても良いというものではなく、贈る時期が決まっています。
一般的には、12月10日から20日ごろに到着するように贈りますが、最近では、
少しずつ日付が前倒しになる傾向があり、11月下旬ごろから贈る会社も増えています。
お歳暮を贈る時期は、地域によって少しずつ差があるのがポイントです。
例えば、関東地方では12月1日から20日ごろに贈りますが、沖縄県では
12月初旬から12月25日ごろとされています。
贈る側の地域の慣習を基準にするのではなく、受け取る取引先がある地域に
合わせるのがマナーです。
マナー違反にならないように、取引先がある地域では、いつごろをお歳暮の時期と
しているのか、あらかじめ調べておくと安心です。
贈るときに意識したいお歳暮の相場
取引先や上司にお歳暮を贈るときには、3,000~5,000円程度の品物が相場
になります。
あまりに高価なものは、相手に気を使わせてしまうため避けたほうが無難です。
特にお世話になっている取引先や、社長が個人的に繋がりのあるところへ贈る場合でも、
10,000円以内に収めることをおすすめします。
お歳暮は手渡しか発送か
お歳暮を贈るときには、手渡しと発送の2つの方法があります。
感謝の気持ちをしっかり伝えるためにも、本来は手渡しが理想です。
手渡しは、お歳暮を口実に取引先ともビジネスの話をするチャンスがあるため、
一石二鳥だと言えるでしょう。
しかし、年末はスケジュールが立て込みやすく、取引先へ訪問する日程が組みづらいときも
あります。
遠方で訪問が難しい場合は、宅配便で贈っても問題はなく、最近では宅配便で
お歳暮を発送する会社も少なくありません。
取引先にお歳暮を贈るときのポイント
取引先へのお歳暮は、1年の感謝の気持ちを伝えるだけでなく、来年も継続して
取引きしてもらえるようお願いしたい気持ちが含まれています。
会社を代表して贈るものなので、失礼がないように細心の注意を払って贈りましょう。
取引先にお歳暮を贈る前に、チェックしておきたいポイントを紹介します。
宛名を誰にするか注意
お歳暮に関わらず贈り物をするときには、熨斗の書き方に注意を払いますが、
発送する際の宛名の表記は失念してしまいがちです。
取引先にお歳暮を発送るときには、受け取った人が個人の贈り物ではなく、会社同士の
お歳暮だと分かるような宛名の書き方をすることがポイントになります。
取引先の宛名には、相手先の会社名だけでなく、代表者名を記入するのが
基本です。
支店や部署宛てに贈る場合は、会社名+支店名+支店長名または、会社名+
部署名+部署の代表者名を記入します。
お歳暮は、単純に相手先に品物が届けば良いというものではなく、気持ちを伝える
アイテムだということを意識して、きちんとした宛名で贈るようにしましょう。
お歳暮を贈る前に送り状を発送する
お歳暮を発送するときには、お歳暮を贈る前に送り状を発送し、そのあとお歳暮が
届く旨を取引先にあらかじめ伝えておくのがマナーです。
お歳暮の到着より前に送り状が届くようにすると、先方が贈答禁止の場合には先方から
何らかの連絡がくることになり、余分な手間を避けることもできます。
送り状ははがきを使用し、1年の感謝の気持ちや、発送するお歳暮の内容や
発送する日を記載します。
メールを使えば良いのでは?と思われがちですが、メールはあくまでも略式になるため、
どうしても間に合わない緊急時以外は、はがきを使うのが無難です。
オフィスで使えるものを贈る
取引先にお歳暮を贈るとき、品物選びに迷う方も少なくありません。
取引先へのお歳暮には、会社で働いている人が仕事の休憩中に飲めるコーヒーや
缶ジュース、焼き菓子などがおすすめです。
取引先で分けやすいように、個数が多く個包装になっているものを選ぶと喜ばれるでしょう。
贈り物には日持ちのするものを選ぶことが大前提で、ビールなど、お歳暮の定番品である
お酒類も人気があります。
当然ながら取引先の競合会社の関連商品はタブーですので、品物選びのときには
注意が必要です。
会社の上司にお歳暮を贈るときのポイント
お歳暮は取引先に贈るだけでなく、会社の上司に贈れば、感謝の気持ちを伝えるのに
有効なアイテムになります。
最近では、お歳暮を同じ会社内で贈ることを禁止している会社も少なくないため、
贈る前には、念のため社内規定を確認しておくと安心です。
会社の上司にお歳暮を贈るときのポイントを紹介します。
多忙な年末を避けて発送する
会社の上司へお歳暮を贈るときも、取引先と同じく、発送する時期を守ることが大切です。
12月10日~20日の間に贈るのが理想的で、忙しい時期を避けて贈ります。
お礼の気持ちで贈っても、忙しい時期に贈ってしまうと、かえって印象が悪くなることも
考えられます。
年末は帰省や旅行で家を留守にする人も多く、お歳暮を受け取れない可能性もあり、
避けたほうが無難です。
もし、お歳暮にふさわしい時期に贈るのが難しい場合は、時期をずらしてお歳暮ではなく
「御年賀」として贈りましょう。
もらって喜ばれるお歳暮の選び方のポイント
お歳暮を贈るとなると、贈った相手に喜んでほしいと思う方が多いのではないでしょうか。
もらって喜ばれるお歳暮の選び方を紹介します。
地元の特産物を贈る
お歳暮には、地元の特産物を贈るという会社も少なくありません。
地域性のある品物は、品物を見るだけでその企業をイメージしやすくなるためおすすめです。
一度贈った品物が好評な場合は、それを定番品として毎年贈るようにすれば、相手にも
楽しみにしてもらえるでしょう。
流行っている物を贈る
特にトレンドを意識するような業界であれば、定番品よりも流行りのものを贈るほうが
喜ばれる傾向にあります。
テレビで紹介された新商品などは、女性に喜ばれやすい傾向があるため、女性社員が多い
会社の場合は、話題性のある品物を選ぶのもおすすめです。
洗剤・石鹸などの消耗品を贈る
オフィスで使える消耗品は、喜んでもらえるお歳暮としておすすめです。
消耗品のなかでも、洗剤や石鹸、タオルなどが使いやすくておすすめですが、
アイテムとしては定番のものになります。
消耗品は日常で接する機会が多いため、価格や品質の面で特別感を感じやすいです。
普段会社では購入しないような、少し高価な商品を選ぶと、気持ちが伝わりやすく、
差別化を図るのにも役立ちます。
お歳暮の代わりに年賀状で新年の挨拶を
お歳暮は、取引先へ感謝の気持ちを伝えるのに有効なアイテムです。
取引先との関係性によって贈るアイテムが異なったり、贈るときのマナーを守らなければいけなかったりと、手間や労力がかかってしまいがちです。
近年では、お歳暮を贈らない企業や、虚礼廃止でお歳暮を受け取らない企業も
増えています。
お歳暮を贈るのに不安がある場合は、確実に受け取ってもらえる年賀状で、お礼と今後のお付き合いのお願いを伝えるのもおすすめです。
年賀状のデザインや仕様などにこだわると、周りと差の付きやすく、新鮮なイメージを
与えることができます。
お歳暮の代わりにこだわりの年賀状で、新年の挨拶をしてみませんか。