【年賀状】飲食店などの個人営業店舗が年賀状で効果的に営業する方法

コラム

昨今は年頭の挨拶をメールなどで代用し、年賀状を出さない企業が増えています。

飲食店などの個人営業店舗でも、LINE公式アカウントなどが広まるに連れ、この風潮に拍車が掛かる傾向にあるようです。

しかし、これでは年に一度の休眠客を掘り起こすチャンスを、みすみす逃すことにも繋がりかねません。

個人営業店舗こそ年賀状を有効な営業ツールと捉えて、大事なビジネスチャンスとして効果的に活用していく必要があるのです。

今回は、そんな個人営業店舗においての効果的な年賀状の使い方について、深く掘り下げて解説いたしますので、新しい年を晴れやかな気持ちで迎えられるよう、自店の営業戦略に取り入れてみてください。

飲食店などの個人営業店舗ほど年賀状は強力な営業ツールになる

飲食店や小規模小売店、サロンなどの個人営業店舗では、顧客とは常にお店に来店することにより、顔の見えるサービスを提供する相手のことです。

それゆえ一般企業と違い、顧客とかなり近い距離感での営業を行うことが常ですが、逆に言えばお店に足を運ばなければサービスを提供することもできません。

つまり一度足が離れてしまえば、顧客に思い出してもらえない限り、その店は顧客にとって存在しないのも同義だということです。

こんな休眠客を掘り起こすのに、年始のイベントというのはまさにうってつけ。

年始のフェアやキャンペーンなどを開催することにより、顧客の注目を再び自店へと向けさせるのは、個人営業店舗でも常套手段として行われることでしょうが、それを休眠客へ伝える手段としては、年賀状ほど効率のよい営業ツールはありません

年賀状を営業ツールにする3つのメリット

年賀状を営業ツールとするメリットはいくつか考えられますが、大きく分ければ次の3つに集約されます。

価格が安い

ほぼ無料で使用できる、メールやLINE公式アカウントのメッセージ機能と比べれば、多少の費用はかかりますが、紙媒体を使ったセールスプロモーションの中では、年賀状は遥かに安い金額で宣伝活動を行うことができます。

また、通常時に送るDMなどはさほどのリターンが期待できないものですが、年頭のフェアやキャンペーンと連動することにより、同じ金額でも高いリターンバックが期待できるのも、年に一度という年賀状の効果です。

信頼の獲得

元来小規模な個人営業店舗というのは、ごく狭い商圏を相手に商売をしているのがほとんどだと思います。

つまり、周辺住民や企業が相手という、いわば村社会での商売となるために、こういった年賀状のような年の恒例儀式をきちんとこなす店舗という印象は、周囲の信頼を勝ち取るにも一役買ってくれます。

顔の見える営業

無味乾燥にパソコンから送付されるメールのメッセージは、大量に送られてくるデータに埋もれてしまいがちなものです。

またLINE公式アカウントなどの一斉メッセージは、個々人に宛てたメッセージというわけではありません。

その点はがきという手で触れる事のできる書状に、自分宛ての個別のメッセージが書かれてあったりすれば、貰った側としても手元に残しておいてくれることは間違いありません。

また、店舗側としても年末に顧客リストを一人ひとり見直す作業というのは、改めて休眠客の顔を思い出す大切な時間となるはずです。

年賀状離れの現実を逆手に取る営業テクニック

近年ではそういった年賀状をメールやSNSで済ませる店舗は増えています。

しかし、そういった風潮のある現代だからこそ、あえて形に残る年賀状というツールを利用することにより、自店のブランドイメージやメッセージを、より強烈に顧客に対して残すことができます。

具体的にはビジュアルや文面にこだわると同時に、必ず直筆のメッセージをひとことだけ書き添えることにより、個人から個人へと宛てた書状だといういうことをアピールするように心がけましょう。

顧客リストの作成は常日頃から意識する

しかし個人営業店舗では、いざ年賀状を出そうと思っても、顧客リストのようなものを用意していないことも多いかもしれません。

会員制のサロンなどならともかく、小さな飲食店や小売店などではお客様の住所はもちろん、名前も正確には知らないというケースも少なくないでしょう。

こういった店舗では、常日頃から顧客リストの整備を念頭に置いた営業が大切です。

ただ漫然と流れていく営業ではなく、戦略的に営業活動を行っていくためにも、これからの小規模個人営業店舗でも、顧客リストの整備は欠かせません

常日頃からスタンプカードを利用したり、割引券のリターンには住所氏名を記入してもらうなど、ささいなことでも顧客リストを収集することを意識するようにしましょう。

個人営業店舗に有効な年賀状のポイント

それでは、個人営業店舗が作る戦略的に有効な年賀状とはどのようなものなのでしょうか?

そのポイントをかいつまんでご説明いたします。

デザインにこだわる

まずは顧客が年賀状を手にとった時に、ぱっとひと目であなたの店からの年賀状だと分かるビジュアル使いが大切です。

自店のロゴや特徴的な店内外の写真を使ったり、ブランドイメージを引き立てるカラーバリエーションで紙面を構成したりと、こだわりのデザインで顧客の目を引きつけることができたら、8割方戦略は成功したようなものです。

例えば……

  • 街中で目を引く店頭写真を使い自店を思い出してもらう
  • スタッフのコラージュ写真を使い楽しさをアピールする
  • あえてヘタウマな手描きのイラストで注目を引く

など。

キャッチコピーにこだわる

一般企業の年賀状では、賀詞などは「謹賀新年」や「恭賀新年」などの、先方への敬意を表す言葉が入った四字熟語タイプを使うことにより、格式高くみせるのが通常です。

しかし店舗型ビジネスの場合では、そこはあえて大きく変えることにより、より個性を主張したメッセージを伝えることができます。

自店の雰囲気にあったメッセージを大きくキャッチコピーとすることにより、より自店のブランドイメージを深く印象づけることが重要です。

例えば……

  • HAPPY NEW YEAR 今年も元気に営業します!
  • 旧年中の感謝は、今年も美味しさでお返しします!
  • 新年呑みはじめおめでとうございます

など。

添え書きにこだわる

年賀状自体は印刷で作ったとしても、添え書きだけは絶対に直筆で書きたいものです。

この個人に宛てたひとことのメッセージがあるだけで、その年賀状の顧客の心への止まり方は大きく変わります。

今年はこんな風に楽しいことを企画しています、とか、顧客の心をくすぐるひとことを書くことが添え書きのポイント。

間違っても「今年もご来店お待ちしいます」なんて、ステレオタイプのメッセージを書かないようにしてください。

例えば……

  • 今年は年頭から◯◯様の好きな××の新酒が入荷予定です(居酒屋など)
  • その後右肩の具合はいかがですか?(マッサージサロンなど)
  • 年末に流行の◯◯が限定入荷しました(雑貨店など)

など。

PR欄にこだわる

せっかくわざわざ年賀状を書面で出すのですから、そこには宣伝の情報は組み込みたいもの。

しかし、あまりにあからさまな宣伝のようになってしまっては、かえって逆効果になることも少なくありません。

そうならないためには、PR欄にこだわってさり気なくフェアやキャンペーンの情報を伝えることが重要です。

例えば……

  • 追伸のように「◯月◯日より新春フェア開催します」などと記載する
  • 新年の抱負◯ヶ条のような文章を作りその中に入れ込む
  • バックビジュアルにセールの日付を太ゴシックなどで透かしのように入れる

など。

表と裏を使い分ける

通常年賀状に入れ込む内容としては

  1. 賀詞
  2. 旧年中の感謝
  3. 今年の抱負
  4. 年月日
  5. 添え書き
  6. 自店の店名・住所

といったものが一般的です。

これにフェアやキャンペーンの情報まで盛り込んでしまえば、裏面に書き入れる情報は膨大なものになり、紙面がごちゃごちゃになりかねません。

それを上手くデザインで調整できれば、それに越したことはありませんが、場合によっては裏面はシンプルにブランドイメージを伝える年賀状要素だけとして、表面の住所下にPR情報を書き入れるのも1つのやり方です。

このパターンだと、通常ではあからさまになりすぎる「期間限定クーポン」なども、比較的違和感なく盛り込むことができておすすめです。

オリジナルデザイン年賀状を発注する場合の注意点

正月イメージ

年に一度の有効な宣伝ツールとして利用できる年賀状ですが、最近ではパソコン用フリーソフトや、無料画像サービスなどを利用して、個人でも簡単に見映のいいものを作ることできるようになってきました。

しかし、ただでさえ忙しい年末の作業ですので、少しでも手間を減らし、かつクオリティの高い年賀状を作るためにも、プロに任せるのは有効な手段です。

その際は価格の安さや納期の速さだけで選ぶのではなく、自店のイメージに合った年賀状が作成できるかなど、クオリティに目を向けることも忘れてはいけません

年賀状にかけられる予算はいくらまでなのか?どこからどこまでをプロに任せるのか?など、しっかりと費用対効果を考えた上で、賢い業者選びを行うのも、年賀状制作の大事なポイントです。

まとめ

小規模な個人営業店舗においては有効な営業ツールとなってくれる年賀状ですが、印刷するにせよ手書きにするにせよ、いずれにしても大切なのは「お客様のことを思っています」という気持ちを伝えることです。

宣伝内容を盛り込むにしても、あまりにもあからさまな宣伝DMにならないよう気をつけて、あくまで顧客個人に宛てた年賀状だということを忘れずに、年に一度のビジネスチャンスを確実に掴み取ってください

タイトルとURLをコピーしました