ビジネス向けの年賀状は、何かと「普通(プライベート)の年賀状と違うところがあるのでは?」と不安になってしまうのではないでしょうか?
その1つに「差出人(自分)の役職名は書くべきか?」という疑問があります。
そこで、ビジネス年賀状の差出人に自信の役職名を書くべきなのかについて解説します。
1.ビジネス年賀状の差出人に「役職」は書くべき?
通常、ビジネス目的で文書を郵送する場合、差出人には会社名や役職名を記載します(例:○○株式会社 営業部 部長 △△)。
では、ビジネスとは直接関係しない「年賀状」の場合はどうなのでしょうか?
そもそも年賀状は「新年のお祝い」「日ごろの感謝とこれからの付き合いのお願い」などの意味があり、役職名を記載すると高圧的な印象を与えてしまうのではないかと疑ってしまう人が少なくありません。
基本は「正式名称で役職名を書く」で問題ない
結論から述べると、年賀状でもビジネス向けのものであれば、差出人には役職名を正式名称で記載します。
もし、会社で統一するマナーが別にある場合は、それに従った方が良いでしょうから確認しておきましょう。
私的な年賀状の場合は役職名は書かない
ただし、もし年賀状を出す相手ビジネス上の付き合いがある人でも、会社宛ではなく個人宅にプライベートで送る場合には、差出人名にも宛名にも役職や所属は書きません。
あくまでプライベートの関係で年賀状を送るケースですから、主な付き合いがビジネスであったとしても会社に関連する役職名や所属名を書くのはおかしいです。
役職名は書かず、差出人は個人名のみを、宛名には「個人名+様」で問題ありません。
差出人が「連名」の場合は上位の役職を上に配置する
ビジネスで年賀状を送る際には「連名で年賀状を送る」こともあるでしょう。
その場合、一般的なビジネス文書のマナーとして「上位の役職名を上に配置する」ことを守りましょう。
例えば「営業部長」と「営業課長」なら営業部長を先に記載するべきですが、役職が同じ場合(営業部長と総務部長など)は年齢順で記載してください(年齢も同じ場合は文書の責任者を最後に記載するのがビジネス文書のマナー)。
2.差出人に役職名を書かないとどうなる?
では、ビジネス年賀状の差出人に役職名を書かないとどうなるのかについて解説します。
返信する際に困るかもしれない
一番の問題は「相手が年賀状を返信する場合に困るかもしれない」ことです。
何らかの文書を送信し、それに対して返信を行う場合、多くの場合は返信先の宛名を「受け取った文書の差出人」にすることが多いです。
これにより、返信文書の宛名を間違えることはありませんし(送信文書の差出人記載内容が間違っていれば意味がありませんが)、返信する文書が間違いなく送信文書の差出人に届きます。
もし、送信文書の差出人に役職名や所属部門名などが記載されていない場合、返信する人は会社のHPなどで相手の役職名などを調べなければならなくなります。
無駄な手間をかけないためにも、ビジネス年賀状の差出人には役職名を、最低でも所属部門名までは記載しておくようにしましょう。
相手に間違ったマナーを印象付ける可能性がある
念のため上司に確認をとり、問題ないと判断したうえで役職名を差出人に記載した年賀状を出してください。
場合によっては年賀状を送る相手会社によっては「差出人には役職名を書くべきではない!」「差出人にも役職名まできちんと書くのがマナーだ!」といった考え方をもっている可能性があり、過去に接触している人がいれば確認できます。
もし、相手に合わせられずに年賀状の差出人の役職名でミスがあれば、相手会社に「○○社の人間はマナーを知らないのか」と思われてしまう可能性があります。
実際、年賀状の差出人に関しては「役職名まできちんと書くべき」「部署名まで書いていれば十分」など、異なる意見も見受けられます。
裏面に差出人の住所と氏名を記載する場合は?
年賀状のスタイルとして、裏面に差出人の名前や住所などを記載することもあると思いますが、その場合は記載するスペースが限られますので文字数などの条件次第では「役職名を外した方が見栄えが良い(または役職名までは入らない)」こともあると思います。
また、裏面に差出人の情報を記載する場合は、表面に差出人の情報を記載しなくても失礼にはあたりません。
3.ビジネス年賀状の「連名の宛名」はアリ?ナシ?
先ほど「差出人の連名」についてお話ししましたが、ビジネス年賀状の「宛名を連名にする」ことはアリなのでしょうか?
基本は1人1人に出すのがマナー
宛名が連名になる、つまり同じ会社に所属している複数の人に対して1枚の年賀状で済ませるということですが、これは基本的にマナー違反となります。
前述の通り、年賀状は新年の挨拶や感謝の気持ちなどを込めて送るものであり、連名で出すのは礼を失することになるのです。
出す相手が同じ会社・同じ部門に複数人いるのであれば、きちんと1人に1枚の年賀状を出して感謝の気持ちを伝えてください。
宛名を連名にするケース
ただし、「同じ部門に所属している全員に宛てて年賀状を出す場合」であれば、連名にして年賀状を送るのも間違ってはいません。
例えば「○○株式会社 営業課 課長 △△様 スタッフ御一同様」というように宛てて出す場合です。
どういう場合にこの出し方が正しいのかといえば、例えば「スタッフの多くにお世話になっている、けれども課長の立場を考えたい」という場合です。
部門長との接点はそこまで無いものの、スタッフには大変お世話になっている、という場合、一般的な年賀状の出し方になると担当スタッフ各人にだけ年賀状を出すことになりますが、そうなると部門長の立場が悪くなります。
そこで「部門全体に宛てて」という体裁で年賀状を出すことが適切になるため、連名で出すという形になるのです。
宛名の氏名や役職名がわからない場合
珍しいパターンにはなりますが、「年賀状を出したい相手の氏名や役職名がわからない(宛名欄に書くことができない)場合」には、「○○株式会社 ××課ご担当者様」という宛名で年賀状を出すと良いでしょう。
年賀状を出すほどに親交のある相手ですから、基本的に名刺交換しているでしょうし、そうでなくても氏名や役職名のやり取りはしているはずです。
それでも、「あの人に年賀状を出したいけれど、失礼ながらフルネームや役職名を忘れてしまった」ということもあるかもしれません。
「ご担当者様」となるとパッと見では誰に宛てた年賀状かわかりませんが、差出人を正式名称で書いておくことで誰宛ての年賀状かわかりますし、最悪の場合でも相手会社の街灯部門にまで届けば何とかなるでしょう。
まとめ
ビジネス年賀状の差出人は、利便性を考えると役職名まで書くべきですが、送る相手によってはマイナスの感情を抱く可能性があることも捨てきれません。
その他、差出人や宛名が特殊なケースでは特別な書き方をする可能性もありますので、年賀状で失礼をしてしまわないためにも不安な点は同僚や上司に確認しておくことをおすすめします。