年末年始はレストランにとっては書き入れ時。
まさに猫の手も借りたい忙しい日が続きますが、そんな中でも忘れられないのが、お客様にお出しする年賀状です。
毎年欠かさずに忙しい合間を縫って、丁寧に宛名書きなどをされているレストラン経営者もいるかもしれません。
しかし最近ではペーパーレス化の流れから、段々と年賀状もメールなどで済ますところも増えています。
では、レストランもその流れに乗って年賀状を出さなくても良いのでしょうか?
結論から言えば、特に個人経営のレストランなどでは、年賀状でなくとも年末年始に出す何らかの挨拶状は、お客様とお店をつなぐための大切なツールです。
そんなレストランがお客様に送る、年末年始の挨拶状について考えていきましょう。
レストランが年末年始にお客様に送る挨拶状は2つ
飲食店の中でも「レストラン」というカテゴリーに属する店が、年末年始にお客様に送る挨拶状といえば、大きく2つ考えられます。
それは「年賀状」と「クリスマスカード」です。
この2つの挨拶状について、さらに深堀りして考えていきます。
年賀状とクリスマスカード
日本においては年賀状というものが、長年の風習として根付いています。
しかし、これは日本独特の風習で、海外には年賀状を出すという習慣はありません。
その代わりにやり取りされているのがクリスマスカードです。
チェック
クリスマスを祝って送られるグリーティングカードがクリスマスカードですが、日本ではクリスマスプレゼントに添えられた付属物的なイメージしか無いかもしれません。
レストラン、特に欧米料理の専門レストラン(フレンチ、イタリアンなど)では、、あえて年賀状ではなくクリスマスカードを送るというのも、お客様にとっては意外な嬉しさかもしれません。
レストランのクリスマスカード
クリスマスカードを選んだ方がよいレストラン
フレンチやイタリアンばかりではなく、アメリカ料理やスペイン、ギリシャに北欧料理など、主にキリスト教圏に属する国の料理を専門とするレストラン。
これらのレストランでは日本古来の風習である年賀状よりも、その国にとって馴染み深いクリスマスカードの方がおすすめです。
専門的であればあるほど、自店の料理の元となる国のお客様も多いでしょうから、クリスマスカードを送る方がしっくりと馴染みもいいでしょう。
しかし、逆にそういった他国籍のお客様だからこそ、日本の古くからの風習である年賀状を喜んでくれるということも考えられますので、自店の顧客層と照らし合わせて最終的に判断してみてください。
メリット
クリスマスカードのメリットは大きく分けて次の3つです。
- 年末に今年1年の感謝を伝えられる
- 年末年始の営業案内を伝えられる
- 数多くの年賀状に埋もれずお客様の目に止まる
それぞれを詳しく見ていきましょう。
年末に今年1年の感謝を伝えられる
クリスマスカードのメリットは、まず年末に今年1年の感謝をお客様に伝えられるということです。
クリスマスカードはそもそもキリストの生誕祭であるクリスマスを祝うものですが、ここはクリスマスカードの形態をとった年末の挨拶状と捉えて、今年1年の感謝の想い自体を、クリスマスのプレゼントとしてお客様にお届けしましょう。
ささやかなクリスマスプレゼントと題して、グラス1杯のワインチケットなどを記載するのも良いかもしれません。
年末年始の営業案内を伝えられる
クリスマスカードはそもそもが年末、12月25日までにはお客様の手元に届くものです。
これによりその後の年末年始の営業案内を、的確にお客様へお伝えすることができます。
年賀状の場合は新年の営業再開日しか伝えられないのと比べると、これは大きなメリットとなります。
また、年始のフェアやキャンペーンなどを行う場合では、それらの情報も合わせて伝える事ができ、営業上も非常に便利なツールです。
数多くの年賀状に埋もれずお客様の目に止まる
大抵のお客様であれば、新年はたくさんの年賀状を手にすることと思われます。
そんな時に自店から出すのも年賀状であった場合、よほどインパクトの強いデザインやビジュアルを使ったものでなければ、数多くの年賀状に埋もれてしまい、お客様の印象には残らないかもしれません。
しかし、クリスマスカードはその風習自体が日本ではあまり馴染みがないため、手にしたお客様にとっては、オンリーワンの挨拶状として受け取ってくれるに違いありません。
デメリット
日本ではクリスマスを祝う挨拶状という習慣自体が、生活の中に浸透していないため、単なるDMと思われてしまう可能性も考えられます。
そのため、「Merry Christmas」という言葉と同時に、日本人としては馴染み深い「今年も1年ありがとうございました」などの言葉を、できれば手書きで書き添えるなどの工夫をするのも1つのやり方です。
レストランの年賀状
年賀状を選んだ方が良いレストラン
和食レストランや、国別の特性がない一般的な洋食レストランなどの場合は、あえてクリスマスカードを選ばずに、日本の風習に従った年賀状を出す方が向いています。
特に、地方都市などで地域に密着した営業をされているレストランなどでは、そういった日本古来の習慣を重要視する年配層のお客様も、常連さんとしては多いと思いますので、彼らの習慣に合わせた年賀状を選ぶ方が得策です。
メリット
年賀状のメリットは大きく分けて次の3つです。
- 新しい年の祝いと旧年中の感謝を伝えられる
- 新年早々に休眠客の需要を掘り起こせる
- 日本古来の風習で年配層の顧客に受けが良い
それぞれを詳しく見ていきましょう。
新しい年の祝いと旧年中の感謝を伝えられる
新年を祝う賀詞の言葉と、旧年中の感謝を伝える言葉。
この2つが年賀状を構成する大きな要素です。
特に賀詞には様々な種類があり、自店のお客様に合わせたふさわしい賀詞を選ぶことで、より深く祝いと感謝の念を伝えることができるのが、伝統的な年賀状に込められた良さです。
新年早々に休眠客の需要を掘り起こせる
年賀状、特にお年玉くじ付き年賀状などは、一般のDMなどと違って当選発表の日までは、お客様が捨てずに手元に取っておいてくれることが期待できます。
そのため、新年の食材フェアやワインフェアなどの情報と、それのサービス券的内容まで盛り込んでおけば、お客様がその情報を元に自店へと来店する確率が、一般のDMなどよりは遥かに高くなります。
さらに、しばらく店に来ていないお客様に対しても、手書きでひとことメッセージを添えることにより、そうした休眠客の需要を掘り起こすことも期待できます。
やはり自分のことを気にかけてくれる店という印象を残せば、お客様にとっても気になる存在になるはずです。
日本古来の風習で年配層の顧客に受けが良い
地方都市などで地域社会に密着した商売をされているレストランでは、お客様の大半が地元の家族連れというケースも少なくないと思います。
その中には年配層のお客様も数多くいらっしゃるでしょうし、そういった年配層のお客様にとってはクリスマスカード、ましてやメールやSNSなどでの挨拶はピンとこないものです。
そういった層へアピールするのには、やはり日本古来の年賀状の方がぴったり。
地域社会で顔の見える商売をされているレストランは、ぜひ年賀状を自らの営業戦略に上手く取り入れてみてください。
デメリット
年賀状は年始に届くものですから、まず第一に年末の休業日を伝えることができません。
祝いと感謝を伝えるための挨拶と割り切ればそれでも良いのですが、せっかくの経費をかけてお出しするわけですから、できる限りの費用対効果は期待したいものです。
また、年始はお客様もかなりの枚数のあちこちからの年賀状を手にするでしょうから、余程印象に残る年賀状を作成しない限り、それらの波に埋もれてしまうことも考えられます。
忙しいレストランのための時間節約術
年末年始のレストランは、クリスマスや忘新年会といったイベントが目白押しで、どれだけ時間があっても足りないほどの忙しさだと思います。
その中で年賀状やクリスマスカードの準備まで行うというのは、正直言ってキツいものです。
そんな時は1つの選択肢として、すべての作業を業者に丸投げするというやり方もあります。
文面を考えて、店のデータと顧客データを業者にメールすれば、はがきの手配、印刷、宛名印刷から投函まで、すべてを一貫して行ってくれるシステムを持った印刷所もあり、なにかと忙しいレストラン経営者にとっては力強い味方となってくれるでしょう。
もちろん多少の費用はかかりますが、よりクォリティが高くお客様の印象に残る挨拶状を、手間暇を極限まで抑えて手軽に作るために、一度検討してみてください。
まとめ
いかがでしょうか?
年末年始にレストランがお客様に送る挨拶状を、「年賀状」と「クリスマスカード」に分けて考えてみました。
どちらを選ぶのにも、自店の顧客層と地域の状況を合わせて判断することが必要です。
ただし、どちらの場合でも大切なのは営業案内やPR要素ではなく、「感謝の想いを届ける」ことだというのを忘れずに、有効な挨拶状戦略を練ってみてください。