お歳暮を贈られた場合はどうする?ビジネスで使えるお礼状の例文も紹介

コラム

年の瀬が近づいてくるとビジネスの現場でも、お歳暮を贈り合うことは多いと思います。

しかし、こちらから贈っていない相手からお歳暮を贈られた時は、そのお返しやお礼状などはどうしたら良いのでしょう

この記事では、そんなお歳暮シーズンにまつわる疑問にお答えすると共に、ビジネスシーンでそのまま使えるお礼状の例文も合わせてご紹介します。

取引先からお歳暮を贈られたらどうする?

ビジネスの現場において取引先の企業や、担当者個人からお歳暮を贈られた時の対処法は、大きく考えて次の2つです。

  1. お歳暮のお返しをする
  2. お礼状を出す

果たしてこれはどちらが正しいのでしょう?

お歳暮のお返しは必要ない

原則的に言えばお歳暮を贈られた時のお返しは必要ありません

これは、お歳暮とはお互いに「感謝を込めて贈り合う」というのが基本的な考えのためで、「お返しを贈る」という行為自体が失礼に当たるからです。

そのため予期せぬ相手からお歳暮をいただいた時でも、基本的にはお礼状を出せば社会通念上問題はありません。

お歳暮のお礼状のビジネスマナー

それでは、実際に取引相手からお歳暮をいただいた時に出す、お礼状のビジネスマナーとは、どういったものがあるのでしょう?

それぞれの項目について詳しく解説いたします。

お礼状を出す時期

お礼状を出す時期について特に決まりはありません。

唯一のビジネスマナーとして覚えておきたいのは、「お歳暮が届いたらすぐに出す」ということです。

お礼状にどれだけ丁寧な言葉を重ねても、お歳暮の到着からあまりに日にちが空いてから出しても、感謝の気持自体が伝わりません。

遅くとも到着から3日以内に送ることを心がけましょう。

また、年末近くに届いたからといって、お礼の言葉を年賀状などの添え書きに書くようなことは、相手に対して大変な失礼に当たりますので、厳に慎みましょう。

お歳暮のお礼状・書き方のポイント

お歳暮を贈られた時の返礼は、親しい間柄であれば電話やメールでも構いませんが、ビジネス現場で業務上の取引である場合は、手紙でお礼状を出すのが正式です。

この場合の手紙とは、簡略化したはがきでも構いませんが1番丁寧なのは封書となります。

手紙自体は縦書きとして、以下の内容を盛り込むのが正式なビジネスレターとなります。

  1. 起首(頭語):拝啓~敬具、謹啓~敬白など
  2. 時候の挨拶
  3. 先方を気遣う言葉
  4. 日頃のお礼
  5. 本文(お歳暮をもらったお礼と、こちらこそ1年間お世話になったことへのお礼。社員ともども喜んでいますなども書くと良い)
  6. 文末の挨拶(年末の挨拶状となるため、来年の厚誼をお願いするひとことも書き添える)
  7. 結語(縦書きの場合は下寄せ、横書きの場合は右寄せとする)
  8. 日付(縦書きの場合は和暦・漢数字で記載)
  9. 差出人(縦書きの場合は下寄せ、横書きの場合は右寄せとする)
  10. 相手の名前(文末に入れます)

ビジネス現場でそのまま使えるお歳暮のお礼状例文

取引先企業へ送る場合

1)謹啓
2、3)師走の候、貴社におかれましては益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。
4)平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
5、6)さて、このたびは結構なお歳暮の品を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
弊社一同でおいしく賞味させていただきました。
来る年も貴社のご信頼にお応えできるよう、より一層の努力をする所存でございますので、何卒ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
年末ご多忙のおりではございますが、ご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
まずは、拝受のご報告と、御礼ご挨拶を申し上げます。

7)敬白

8)令和◯年◯月◯日

9)〇〇株式会社    
代表取締役 ◯◯◯◯

10)◯◯◯◯株式会社
代表取締役 ◯◯◯◯様

個人相手に送る場合

1)拝啓
2、3)師走の候、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
4)平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
5)さて、このたびはご丁寧なお心遣いの品をお送りいただき、誠にありがとうございました。
早速社員一同、美味しく頂戴いたしました。
◯◯様には日頃より何かとお力添えをいただき、弊社といたしましても非常に心強く思っております。
6)今後とも何卒ご指導のほどよろしく願申し上げます。
寒さはこれからが本番でございます。ご家族様共々どうぞご自愛くださいませ。
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。

7)敬具

8)令和◯年◯月◯日

9)株式会社◯◯     
〇〇部 部長 ◯◯◯◯

10)◯◯◯◯様

お歳暮をお返しする場合のビジネスマナー

お歳暮を贈られた相手の立場などによって、お礼状ではなくお返しをしようと考えた場合のマナーは次の通りです。

あくまで「お返し」ではなく、感謝の気持を込めて「贈り合う」

お歳暮とはあくまでも1年間の感謝の気持ちを込めて「贈り合う」ものですので、本来的に「お返し」ではないということをまず意識しましょう。

そのため頂いたお歳暮に対しては、品物が無事に届いたことを先方に知らせる意味も含めて、一旦正式にお礼状を送り、その上で改めてこちら側からの感謝を伝える贈り物をする、という流れを取るのが一般的です。

お返しの時期

お歳暮を贈られてからすぐにこちらからもお歳暮を贈ると、「お返し」という意味合いが強く見え隠れしてしまいます。

そのため先に贈られたお歳暮を受け取ってから、少し間をおいてから贈るようにしましょう。

また、年末に近い頃に受け取ったお歳暮に対しては、忙しい年末を避けて年が明けてから、「お年賀」や「寒中見舞い」として贈る方が良い場合もあります。

>>参考記事/2020年のお歳暮を贈る時期は?関東・関西の違いとビジネスマナー

お返しの金額・品物

先方から先にお歳暮を贈られた後、こちらから返礼としてお歳暮を贈る場合には、いただいたお歳暮と同額、もしくは少し安めのものを贈るようにします。

これは、いただいた品より明らかに高額な物を贈るのは、「翌年以降はいらない」という意味合いになるためで、相手にとっては気を悪くする方もいらっしゃることから、返礼品のマナー違反となりますので気をつけてください。

まとめ

年の瀬になると企業間でやり取りされるお歳暮ですが、その返礼についてのビジネスマナーはしっかりと身につけておきたいものです。

基本的にはお歳暮にはお返しは必要ありませんので、お歳暮を贈られた場合にはお礼状をお出しするようにしてください。

この際、お礼状はあくまで「品物が無事に届いたこと」と「お歳暮を贈られたことへの感謝の気持ち」を伝えるものですから、品物が届いてから速やかに(できれば3日以内)送るように心がけます。

間違っても年賀状に、ついでにお礼の言葉を書き添えるようなことはしないよう気をつけてください。

お歳暮のお礼状と年賀状はまったくの別物ですから、お礼状はお礼状で速やかに発送した上で、日頃の感謝を込めて改めて年賀状は準備するようにしましょう。

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