飲食店にとって1年でもっとも売上が見込め、忙しい12月にやらなければ大切な作業が、お客様に送る年賀状の発送業務です。
そんな年賀状のデザインや画像というのは、パソコンのフリーソフトやサイトなどから拾って、今は素人でも簡単に綺麗な年賀状を製作できるようになってきました。
しかし、それよりも案外悩むのは挨拶の文章の方ではないでしょうか。
この記事では、そんな飲食店がお客様に送る年賀状の挨拶文について、5つの構成要素に分けて、実際に使える例文とともにご紹介いたします。
飲食店がお客様に送る年賀状5つの構成要素
飲食店がお客様に送る年賀状に添える文章は、次の5つの構成要素に分けられます。
- 賀詞
- 旧年中のお礼
- 今後の付き合いへのお願い
- 相手の健康・幸せを願う言葉
- 添え書き・メッセージ
それぞれについて詳しくご説明します。
1.賀詞
賀詞とは新年を祝う言葉で、年賀状の文頭に配置します。
通常は四文字熟語のものが、目上の方などに送るのにふさわしい、もっとも丁寧な賀詞だとされていますが、これは文中に相手を敬う言葉があらかじめ含まれているためです。
その反面、二文字や一文字の賀詞にはそれが含まれていないため、目上の方に送る年賀状に使うのは、ふさわしくないと言われています。
飲食店がお客様に送る年賀状の場合は、その店舗の業態やジャンルによって一概には言えませんが、そこまでこだわる必要がない場合もあるでしょう。
その場合はむしろデザイン性を考えた一文字賀詞や、英語の賀詞を使用することも考えられます。
また、文章の賀詞の場合は敬意を払う言葉を文章中に盛り込んだものと、シンプルに新年を祝うものの両方を選んで使い分けることができます。
賀詞の例
一文字賀詞
寿(ことぶき):おめでたいこと、祝いの意味
福(ふく):幸せを表します
春(はる):新年、年のはじめを表します
賀(が):喜び祝う、喜び称えること
禧(き):さいわい、よろこび、めでたいなどの意味
二文字賀詞
賀正(がしょう):新しい年を迎えることを祝うの意味
迎春(げいしゅん):新年を迎えるの意味
寿春(じゅしゅん):春をことほぎ、新年を祝うの意味
初春(しょしゅん):正月、春の初めの意味
頌春(しょうしゅん):新年を褒め称える言葉、賀春と同義
四文字熟語賀詞
謹賀新年(きんがしんねん):謹んで新年のお祝いを申し上げますの意味
謹賀新春(きんがしんしゅん):謹んで新春のお祝いを申し上げますの意味
恭賀新年(きょうがしんねん):うやうやしく新年をお慶び申し上げますの意味
敬頌新禧(けいしょうしんき):うやうやしく新年の喜びをお讃え申し上げますの意味
慶賀光春(けいがこうしゅん):輝かしい新春の喜びを申し上げますの意味
文章の賀詞
あけましておめでとうございます
謹んで新年のお慶びを申し上げます
謹んで新春のお慶びを申し上げます
新年おめでとうございます
新春のお慶びを申し上げます
英語の賀詞
Happy New Year:新年おめでとう(A Happy New Yearは良いお年をになるため不可)
May You Your Happiness of this Year:今年もあなたに幸あれ
New Year’s Greetings:新年のご挨拶
2.旧年中のお礼
賀詞に続いては、お客様に旧年中のご愛顧・ご来店を感謝する言葉を綴ります。
旧年中のお礼の例文
旧年中は私どものお店をご愛顧いただき誠にありがとうございました
旧年中は格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます
いつも当店をご利用いただきまして誠にありがとうございます
旧年中は格別のお引き立てに預かり心よりお礼申し上げます
昨年はご来店いただきありがとうございました
3.今後の付き合いへのお願い
本年に向けてかける決意などとともに、お客様に今後とも変わらぬ付き合いを願い出る言葉です。
今後の付き合いへのお願い例文
新しい年も皆様に楽しんでいただけるお店を目指し
よりいっそう努力してまいりますので
スタッフ一同ご来店を心よりお待ちいたしております
今後とも変わらぬご愛顧のほどどうぞよろしくお願いいたします
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
本年も〇〇(店舗名)をどうぞよろしくお願いいたします
4.相手の健康・幸せを願う言葉
こちらの一方的な祝いやお願いの言葉だけでなく、お客様の今年の健康としあわせを願う言葉を添えるのが年賀状を書く上でのビジネスマナーです。
相手の健康・幸せを願う言葉例文
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
まだまだ寒い時期が続きますがご家族様共々お体ご自愛くださいませ
この一年のご健康とますますのご活躍をお祈り申し上げます
寒さ厳しき折ではございますが
ご家族様共々風邪など引かぬようお気をつけください
本年も幸多き年となりますよう心よりお祈り申し上げます
5.添え書き・メッセージ
飲食店の場合は近況や今年にかける思いなどを、ひとことの添え書きやメッセージとして文面に付け加えると、よりいっそう暖かみのある年賀状となります。
この場合、文面によっては今後の付き合いをお願いする言葉と組み合わせて使うこともあるでしょう。
添え書き・メッセージ例文
本年もよりお客様にくつろいでいただけるお店を目指して
スタッフ一同精一杯努力してまいります
これからも皆様にご満足いただけるお店であるよう
スタッフ一同日々努めてまいります
今年もまた「美味しい料理」「旨し酒」「心地よいサービス」を心がけ
皆様に楽しんでいただけるお店を目指してまいります
年も改まり皆様にこれまで以上にご満足いただけるお店を目指し
スタッフ一同気持ちを新たにしております
今年は〇〇県の〇〇から直送のルートも開拓いたしましたので
よりいっそう腕によりをかけた美味しい料理を
皆様に楽しんでいただこうと思っております
飲食店が年賀状にPR要素を付け加える場合の注意点
飲食店がお客様に年賀状を送る場合は、やはりそこには自店を宣伝するPR要素は付け加えたいものです。
しかし、あくまでも年賀状は新年のお祝いと旧年中の感謝を伝えるためのもの。
あまりにも露骨なDMのようになってしまっては本末転倒です。
そのようなことは避け、お客様に自然なメッセージとして受け取ってもらえるよう、次のようなことには気をつけるようにしましょう。
新年の営業再開日は時間まで明記する
新年の営業再開日に関してを年賀状に書く場合には、年賀状の最後、または追伸や欄外などに添える形でさり気なく書くと好印象です。
また、その場合は営業再開の日だけではなく、通常通りの営業開始だとしても、営業時間をしっかり書いてあげることによって、自店の営業時間を改めてアピールすることができます。
裏面に付け加える場合は追伸や欄外にさりげなく
新春のキャンペーン情報やセール情報などを、年賀状に付け加える場合もあるかもしれません。
しかしそういった情報を上手く文面に盛り込むのは難しいものです。
もしうまく行かない場合は、あえて無理に文面に盛り込もうとはせず、追伸部分や本文とは別の欄外に注釈の形で挿入するのも1つのやり方です。
情報量が多い場合は表面を利用する
キャンペーンやセール情報だけでなく、クーポン要素などを年賀状に付け加えたい場合は、情報量が全体的に多くなることが考えられます。
その場合すべての情報を裏面に盛り込んでしまっては、デザイン的にもごちゃごちゃしてしまいますし、祝いと感謝のメッセージが薄れてしまいます。
そんな時は表の宛名面下半分をうまく活用し、そこにPR要素はすべて集約させるなどの工夫を凝らしてください。
まとめ
飲食店がお客様に新しい年のはじめに送る年賀状は、飲食店とお客様を繋げる大切な営業ツールですが、年末の忙しい飲食店にとっては相当な作業負担になるのは事実です。
そんな時は便利な外注サービスを上手く利用して、効率よく作業負担を減らすのがおすすめです。
各社が用意した様々なサービスにもそれぞれ一長一短がありますので、それらをよく見極めて上手く自店の年末年始の営業戦略に取り入れてください。