1年の感謝を込めて年末に贈るお歳暮ですが、いつ頃贈るのが良いのかはご存知ですか?
文字通り「年の暮れ」に贈ることは分かっているものの、正確な日付までは分からないという方も多いのではないでしょうか?
2020年の年末にお歳暮を贈ろうと思っている方のために、お歳暮を贈る適切な時期を関東・関西などの地域別の違いに合わせて解説します。
さらに、お歳暮を贈る時のちょっとしたマナーや、ビジネスシーンにおける注意点についてご説明します。
2020年のお歳暮を贈る時期はいつ頃がいい?
「お歳暮」「歳暮」などは俳句の世界では12月の季語ともなっているように、年の瀬の風物詩です。
特に日頃からお世話になったどなたかに、感謝を伝えたいと思っている方からすると、忘れてはならない行事となります。
では贈るのにふさわしい正確な日付というのはいつなんでしょうか?
結論から言いますと、一般的なお歳暮を贈る時期とは、12月上旬から20日頃まで。
遅くともクリスマスの頃までには先方に届くように贈ります。
関東と関西では地域差がある
では、日本全国そのタイミングのお届けで良いのでしょうか?
実はお歳暮を贈る時期というのは、関西や関東など、地方によって微妙に決まりが違います。
関東の場合
一般的に8日ぐらいからという説と、1日から贈れるといった説がありますが、8日頃からと考えておけば間違いないでしょう。
贈り終わるのは25日のクリスマス頃を目安にしておいて問題ありません。
関西の場合
それに対して関西地方の場合は、歴史的・地理的に神事を重んじる傾向が強いためか、行事に対する日付などが関東よりは厳しく決まっています。
このため贈り始めは「正月事始め」と言われる12月13日、贈り終えるのは12月20日頃の1週間ほどと、関東と比べると圧倒的に短い期間となっています。
ですので、関東の方が関西の方にお歳暮を贈る場合は、特にこの習慣の違いを意識して、失礼のないように気をつけたいものです。
関東 | 12月1日(火)または8日(火)~25日(金)頃 |
関西 | 12月13日(日)~20日(日)頃 |
お歳暮の時期を過ぎてしまったらどうするか?
ただでさえ忙しい年末ですから、お歳暮の準備自体はなるべく早いうちに行っておきたいものです。
しかし万が一忙しさにかまけて、うっかりお歳暮を贈るタイミングを逃してしまった場合はどうしたら良いでしょう?
この場合の対処法は次の2つが考えられます。
・お歳暮の代わりにお年賀を持参する
・お歳暮の代わりに寒中見舞いを贈る
これらも関東と関西によって微妙な違いがありますので、相手先の地域などに合わせて注意するようにしてください。
関東 | 1月1日(金)~7日(木) |
関西 | 1月1日(金)~15日(金) |
関東 | 1月8日(金)~2月2日(火) |
関西 | 1月16日(土)~2月2日(火) |
お歳暮の贈り方のマナー
お歳暮を贈る際のマナーの第一は、贈る時期を考えるということですが、それに関しては、関東と関西の違いも含めてお分かりいただけたかと思います。
それではここで、お歳暮を贈る時に役立つ、ちょっとしたマナーについてお話します。
本来は持参するのがマナーだが郵送なら挨拶状を添えよう
本来のお歳暮というのは年末の挨拶に伺った際に持参する手土産としての贈り物です。
しかし現実的にはすべての方に挨拶回りをするのは難しいでしょうから、その場合の対策として郵送でお歳暮を贈る際には、必ず挨拶状を同封することが礼儀とされています。
また、ビジネスシーンにおいては、お歳暮とは別に年末の挨拶に伺う場合もあるかとは思いますが、その場合でも先立てて贈るお歳暮にはしっかりと挨拶状を添えるのを忘れないようにしましょう。
のし紙のかけ方
お歳暮に使われるのし紙は、紅白の5本、または7本の蝶結びのデザインが付いたものを使います。
表書きは濃い色の墨を使い楷書体で、「御歳暮」という文字と差出人の名前をしっかりと書くようにしましょう。
また、のし紙はお歳暮の箱に直接かけ、その上から包み紙で包装してもらうようにします。
忌中・喪中の場合はお歳暮を贈っても良いのか?
お歳暮は日頃の感謝を伝えるものであるため、喪中の相手に対して贈っても失礼とはされません。
ただしその際は、紅白の水引きが付いたのし紙ではなく、無地の短冊に表書きと名前だけを書き、同封した挨拶状にはめでたい言葉を使うことは控えます。
また、忌中の場合は忌明けに贈るようにするなどの配慮も必要です。
忌中が年内に明けない場合や、喪中や忌中の相手にお歳暮を贈るのがためらわれる場合は、先方にお歳暮欠礼の連絡をした上で、寒中見舞いや寒中伺いの形をとって贈ることも考えられます。
・喪中:不幸から1年以内
・忌中:無くなってから49日以内
ビジネスシーンでお歳暮を贈る場合の注意点
ここまで一般的なお歳暮の送る時期や方法、マナーについて解説してきましたが、これがいざビジネスシーンとなると若干様相を呈してきます。
ここでは一般的なお歳暮マナーと、ビジネスシーンにおけるお歳暮マナーについて解説していきましょう。
取引先にお歳暮を贈るのにふさわしい時期
関東では12月初旬から、関西では12月13日からとされているお歳暮を贈り始める時期ですが、ビジネスの現場は年末年始は何かと忙しいものです。
そんな忙しい時期に、各企業にはたくさんの取引先からのお歳暮が一気に届くことになるため、企業宛に贈るお歳暮に関しては関東・関西問わずに12月の頭から贈るほうが良いとされています。
早いところでは11月末あたりから発送を始めるところもあるくらいで、企業宛のお歳暮に関しては、早すぎて失礼に当たるということはありません。
送り先はどうする
企業宛のお歳暮の場合、原則的に送り先は社長(支店の場合は支店長などの代表者)、もしくは関係部署の代表者とします。
これは、企業にとってのお歳暮とは、個人間の感謝を伝えるものでなく、企業同士の取引という考え方があるためです。
どうしてもお世話になっている担当者などに個別にお歳暮を贈りたい場合は、贈る側も企業からではなくあなた個人から贈るということにして、公私の区別を付ける必要があります。
また、宛名は会社名、事業所名、部署名、肩書などはしっかりと省略せずに書き、のし紙に書く差出人は自社の社長や支店長、部署の代表者とします。
取引先に贈るお歳暮にふさわしい品とは
個人宅へのお歳暮であれば、生鮮食品などでも構いませんが、企業宛て、それも事務所や事業所へ宛てて贈るお歳暮の場合は、腐りにくく日持ちのするものを贈るように心がけましょう。
先方がその部署の社員でその場で分けられるような、缶飲料やお菓子など、小分け包装されたものを贈るのがもっとも良いでしょう。
金額的には3,000円~5,000円程度が相場で、あまり高価なものは取引先に気を遣わせてしまうためふさわしくありません。
また、次のような品は取引先に対して失礼に当たりますので、避けたほうが無難です。
- 現金・商品券
- 身につけるもの
- 刃物類
- アルコール:代表個人宅宛であれば問題ありません
- 生もの・調理の必要なもの
- 分けるのが難しいもの
- 取引先の競合商品
まとめ
いかがでしょうか?
一口に年末に贈るのがお歳暮だとはいっても、関東と関西の違いや、各種のマナーなど守らなければならないこともたくさんあります。
しかしお歳暮の本質は「贈り物をする」ということではなく、「年末に1年の感謝を伝える」というものですから、その本質を忘れずにより感謝の気持ちを伝えられるように贈りたいものです。
贈る相手との関連性や、相手の居住地域、事情、家族構成などに十分配慮して、適切なお歳暮の贈り方をすれば、相手にもきっと喜んでもらえるはずです。