出来れば行きたくないのが病院ですが、風邪を引いたり体の不調があるときは、きちんと先生に診てもらいたいですよね。
そんないつも通院している病院から年賀状を受け取ったことはありますか。
お世話になっている先生ならば、個人間でやりとりしている人もいるかもしれませんね。
そんな医療者の年賀状事情について、患者さんには送るべきなのか、書くときの注意点、すぐに使える例文などをご紹介していきます。
患者さんに年賀状は送る?
各病院やクリニックなどの先生たちは、通院してくれている患者さんに年賀状を送りますか。
昨今は個人情報の保護により、住所はプライバシーにあたるのでわざわざ病院から個人に年賀状は送らないところが多いですね。
しかし、先生個人として長期入院をした患者さんや、遠方に住んでいる患者さんに対して元気にしているかどうかの便りとして、年賀状を送る人もいます。
あるアンケートによると、医者から患者に年賀状を送るという医者は19%、送らないが80.4%でした。
この結果を見ても、圧倒的に送らない医者の方が多いですね。
一方の患者側からは、おそらく医者という個人に宛てるのではなくて、病院宛てに看護師さんや医者に年賀状を送っている場合がほとんどでしょう。
とても親しい関係性のある場合や、以前から年賀・手紙などのやりとりをしていた場合は、個人間で送り合っても問題ないですが、忙しい医者にとって患者一人一人に年賀状を作成する時間さえも貴重な時間になっているのかもしれませんね。
新年のご挨拶は年賀状じゃなくても良い
医者と患者の挨拶や近況報告の場合は、必ずしも1年に1度の年賀状じゃなくても良いのです。
ハガキを送りたい場合は、寒中見舞いや暑中見舞い・クリスマスカードなど年賀状以外にもたくさん季節のご挨拶を通して、お便りを送ることが出来ます。
年賀状はどうしてもたくさんの人が元旦に届くようにとたくさん出すので、寒中見舞いにしてご挨拶するのが良いかもしれませんね。
また、患者さんに毎年送っている場合は、住所や敬称など間違いがないか、送っても良いという許可が取れているかをきちんと確認する必要があります。
医者・病院側としては喪中や送ってはいけない事情があるかどうかは、しっかり抑えておかなければなりませんね。
年賀状を書くときの注意点
よく医者から患者への年賀状のメッセージとして書かれるのが「その後は〇〇の具合はいかがですか」などといった体調の様子を伺うメッセージです。
実際、このようなメッセージは相手によってはプライバシーの侵害にあたることがあります。
患者さんを思っての言葉であることはもちろん分かっていますが、患者にもプライバシーがありますので、触れて良い範囲を理解しておくことが大切です。
また、医療的な用語を使ったり、こういうときはこうした方がいいなど処置や対処のような文章は、新年の挨拶に添える言葉としてふさわしくありません。
具体的に細かく患者さんの症状のことや医学的なことをお伝えしたい場合は、手紙や電話などを活用すべきです。
医者側から年賀状をもらったからといって、病院に行ってみようかななどとは思わないので、日常的なメッセージを一言添えるだけで十分です。
さらに、現在も怪我や病気で治療を続けている患者に対しては、決して暗い印象の文やデザインにならないようにしましょう。
患者の体を労ってあげられるような、少しでも治療に前向きに励んで早く元気になってもらえるようなメッセージを書くことがポイントです。
患者さんから先に年賀状をもらった場合
病院でお世話になった先生に年賀状を送りたいと思っている患者は結構いるようです。
しかし、医者の個人情報を聞き出すのも、プライバシー問題に関わるので病院宛てに送る患者が多いですよね。
患者が病院や医者に年賀状を送ること自体はいけないことではありません。
患者からの年賀状を受け取った医者は、きちんと読んでいることでしょうし、担当した患者さんが元気にしているのかなと様子を知れて嬉しく思っているでしょう。
ですが、大きな病院などとなれば医者にはお正月休みなどありません。そのため、読んでいてもすぐに医者から返信をもらえることはないでしょう。
また、病院宛てに出していれば病院から患者に年賀状を送るシステムがなければ返信はありません。
ですので、患者さんから年賀状をもらっても返信が遅くなって一般ハガキとしてや寒中見舞いになることがあるでしょう。
個人で送るのか、病院・クリニックとして送るのか
これまでも触れてきましたが、医者個人宛てに送るのか、病院・クリニックに送るのかということについてです。
患者との関係が高く、双方で個人情報を知っていて送り合える場合は、個人に送っても問題ないでしょう。
病院・クリニックとして送る場合は、どうしてもたくさん来る年賀状に紛れて読んでもらえないこともあります。。
病院から年賀状が来ても、新年早々から病院にかかりたいと思う人はいないですし、今年はお世話にならないようにするぞという決意を持っている人の方が多いですよね。
送る場合は、全ての許可を得ている患者さんに送るというよりも、長年通院されている人や、関係性の高い患者さんのみに送るようにすることで、年賀制作費の削減にも繋がりますね。
患者へ送る年賀状メッセージ例文
それでは最後に、患者さんへ送る年賀状のメッセージに困ってしまったあなたへ、メッセージの例文をご紹介します。
使えそうなメッセージはぜひ、今年の年賀ハガキに使ってみてくださいね。
メッセージは、できれば手書きの方があたたかみがあって、もらった患者さんも嬉しい気持ちになります。
・「お加減はいかがでしょうか。一日も早いご回復をお祈り申し上げます。」
・「ご病気その後いかがでしょうか。一日も早くお元気なお顔を拝見したいと願っ ております。」
・「お怪我はいかがですか。また改めてお見舞いにうかがいます。」
・「お体の具合はいかがでしょうか。この機会にゆっくりと休養を取って治療に専 念される事を願っております。」
・「ご容態はいかがでしょうか。年の改まりますのと共にお加減も快方へ向かわれ ることと信じております。一日も早く全快なさることを祈っております。」
・「賀正 病院で迎えるお正月は寂しいのではないかと案じておりましたが、もう すぐ退院と伺いまして安心しております。退院祝いには好物の○○をお持ちいた します。楽しみに療養におつとめください。」
・「ご病状はいかがでしょうか。どうか十分ご養生に励まれ、一日も早いご回復を 祈っております。」
・「十分に養生され、一日も早く全快されますよう、お祈り申し上げます。」
<患者さんに送るときに使ってはいけない不吉な言葉>
・重ねる・重なる・たびたび・再び ・またまた・弱る・枯れる・寝つく・衰える
・続く・終わる・落ちる・消える・苦しむ・倒れる・折れる・追って・四(= 死)・九(=苦)
このような言葉は、患者さんだけでなくおめでたい席や手紙を出すときにも気をつけておきたい言葉になっています。
まとめ
さて、今回は医者から患者への年賀状についてあれこれご紹介してきました。
長年、入院していたり、治療の面で一緒に頑張ってきた患者さんとの繋がりを持てることや、信頼して年賀交換をし続けている患者さんとは、やはり通院が終わっても関われることは嬉しいですよね。
上記でお伝えしてきたように、プライバシーや相手の状況をよく考慮した上で、送り合うことが大切なのです。
メッセージ例文では、様々な状態の患者さんへのメッセージを載せていますので、使ってはいけない言葉に気をつけながら、相手を思いやれる年賀状を作成してみてください。
必ずしも、ご挨拶や近況報告の便りは年賀状でなくても良いですので、一番よい方法を使いましょう。